神明社跡(札場町)

「神明信仰」は、伊勢信仰ともいわれ、伊勢神宮の祭神、天照大御神の分霊を勧請して奉斎した。

神明社の原形は神宮の神領である御厨・御薗に設けられた斎館で、領内でお祓いをしたり伊勢暦を配布して初穂料を受けて回る御師が逗留する宿ともなった。

室町時代から江戸時代に成立した村々では神明社を氏神とし、あるいは氏神の延長とみなした例が多い。

札場町も17世紀半ばに開発された新田で札場新田と称されていた。

この神明社について、明治5年(1872)の『伊勢国朝明郡札場新田明細帳』に、「東西八〇間、南北八間三尺、但シ、九月五日祭禮」と記されている。

明治45年(1912)に石部神社に合祀され、現在は同社の境外地となっている。

また、神明社に隣接して山の神があった。これも先の明細帳によれば、「東西十間、
南北八間」の敷地であった。

山の神は大山祗神とし「十二様」、「さがみさま」、「おさとさま」などともいわれて村人に信仰されていた。


神明社跡

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