今月(10月)四日市市民生委員児童委員協議会連合会主催で、総合文化会館にて研究事業部研修会が開催されました。初回は四日市市の民生委員全員を対象とした研修会に始まり、その後それぞれの地区内で3班に分けられて分科会が行われました。
そのうち私(伊藤)は、『障がい児(者)福祉を受講しましたので以下は私見がかなり入りますが講演内容です。
講師 特別支援学校 聖母の家学園校長 大橋 里栄師
タイトル 共生社会の実現を目指す学校づくり
~自分らしい豊かな学びを求めて~
まず、特別支援学校 聖母の家学園とは小学部(小学校にあたります)、中学部(中学校)、高等部本科(高校)。そして大学に匹敵する高等専攻科を有し、6歳から22歳まで総勢122人が学ぶ私立の学校法人です。「特別支援」と付くのは、発達障がい、知的障がい、ダウン症などの精神障がいを負った児童に対して、生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授ける教育を目的としているからです。所在地は笹川の南の波木町に有り、何台かのマイクロバスが子供たちの送迎のために毎日いろんな方面へ走っています(一部、遠い子供は寮の様な所へ入所しています)。マイクロバスの横に「聖母の家学園」と書かれているのを見かけたことがある人もいるのではないでしょうか?
学校の教室は一般の学校のようにひとクラス何十人という教室は無く、写真のような10何人
いる教室はまれです。 他は先生が3人に対して生徒が5人前後という教室がほとんどです。(子供の顔が写らないよう
にという制限がありましたので、写真は少ししかありません。すみません)
学園の理念として、{障がいのある人たちの役割を創造し、共栄社会の実現を目ざす学校づくり}とあります。先生方も一人一人の個性、症状に寄り添って指導してい
ますので、子供たちものびのびと学び、元気に行動しているようです。
学びは小学部、中学部、高等部と上がっていくに連れて社会的につながるような学び、校外学習が増えて行きます。具体的にはパン作りや弁当作りをするために先生付き添いで、まずお買い物へ出かけて食材を買ってきて生徒たちで作る。保護者をお客様とした模擬カフェも開いたり、校外学習で高齢者施設を訪問して交流を行ったりしています。そんなときの子供たちからは皆んな真剣さが伝わってきます。
そのような子供たちも、いろんな体験をしながらいずれは巣立ち、就職をしたりして大人になっていきます。
しかし残念ながら今までの学びなどが打ち砕かれ自信を無くすのが、卒業をして就職など
皆さんと同じ社会に入り込んでからです。それは、どのような組織グループでも人の間に優劣が生まれると思いますが、聖母の家学園内でも同じで学校内では自分は優等生と思っていた
子が社会に出たらそうでは無かったと思い知らされた時などです。車いすに乗っている障がい者や、
目が見えずに白杖を頼りに歩いている人と違って、外観では分からない精神障がいを持った人たち
は、変わった人、劣っている人と思われて避けられてしまうのが現実社会です。
研修当日に配布された資料の中の一項目に『共生社会?どういうこと?』というのがあります。そこには、〔人格と個性を、お互いの権利を尊重し合い、支え合う社会] [多様な在り方を認め合える全員参加型の社会] そして、【誰もが生き生きとした人生を送る社会】とあります。
そのためには皆んな誰しもが同じ社会の一員である。という目で見守るのはもちろん、一人ひとり自分と違っていても同じ社会に生きる大切な人なのだという意識を持っていただけたらというのが願いです。それがタイトルにあります共生社会の実現につながるのではないでしょうか。