北ノ山古窯跡は、西大鐘字「北ノ山」の元大庄屋伊藤弥左衛門の屋敷(伊藤裕氏宅)に接する裏山斜面にあって、古墳時代の後期に須恵器を焼いた古窯址とされる。
その昔、土採りをしていた百姓が発見したものといわれている。
窯は「あながま」といわれ「のぼりがま」のはしりである。表面は赤茶けていて、焼成されたと思われる固い土でできている。
入り口は幅約1間(1.8m)で、大人がゆったりと出入りできる大きさであるが、中に入ると両幅は更にゆとりがあって1.5間(2.7m)ある。
また奥行きは約2間半(4.5m)で、その先は天外に通じていて「のぼりがま」の形態をとどめている。
この地は、北山遺跡A・B・C群をはじめ西 遺跡・広古墳といった数多くの遺跡が分布し、弥生後期から古墳時代にかけての土器の出土も多いことから、それらがこの窯によって焼成されていたものと考えられる。