居林(いばやし)遺跡・古墳群(北山町)

居林遺跡は、北山A遺跡から中野山遺跡まで続く丘陵の西の端に位置している。

平成24年(2012)度から3年間、新名神自動車道建設に伴う発掘調査を行った。

居林遺跡では、弥生時代終わりから古墳時代のはじめ、つまり卑弥呼がいた時代の竪穴住居126棟、掘立柱建物が2棟見つかった。

丘陵上で見晴らしのいい居林遺跡や中野山遺跡、西側に広がる同時期の住居群を含め、当時の北勢地域としては最大級の集落が広がっていたことが分かった。

また、以前の調査で、居林遺跡内で確認されている居林古墳群は、朝明川の左岸に連なる丘陵の西端、南面する斜面に大小2基が並列して所在している。

西方400mには門の上古墳群、また北東500mには筆ヶ崎古墳群が位置しており、居林古墳群はこの地域ではもっとも南側に張り出した丘陵の上に築かれている。

1号墳は、直径12m、高さ1mの円墳で盗掘された形跡が認められる。

2号墳は、直径8m、高さ0.8mの小型の円墳である。

古墳群の所在する丘陵は、東方へ幅を広げて延びる舌状台地であり、須恵器片・土師器片が大量に散布する北山遺跡と近い位置関係にある。


※写真は三重県埋蔵文化財センター提供

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